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AdobeMUSEの開発終了にみるWEB制作の潮流

 2018/03/27 WEBサイト制作 ビジネスの種 起業・事業経営 Fumio Sakurai
この記事は約 7 分で読めます。 527 Views

Adobeは何故MUSEの開発終了に踏み切ったのか

2018年3月26日、Adobeがデザイナー向けのHTML制作ソフト「AdobeMUSE」の最終アップデートと開発終了の公式アナウンスを行いました。今朝メールでの通知を見て気づいたのですが、あまりに突然かつ衝撃の内容で思考整理を兼ねてこの記事を執筆しています。

Adobeの開発終了声明(言い訳)原文はこちら

AdobeMUSE開発終了アナウンスの要点

スケジュール 2018.03.26 開発終了アナウンス&機能強化・改善版リリース
2019.05.20 サポート終了(アプリの非公開化ではない)
既存ユーザーに対して ・既にインストールしているユーザーはそのまま使える。
・サポート終了後は、コミュニティフォーラムで自己解決。
後継製品の案内 デザイン・プロトタイピング: Adobe XD
コーディング:Adobe Dreamweaver
ポートフォリオサイト:Adobe Portfolio
Adobeの公式リリース ・開発終了の背景(英語)
・最新アップデートのリリースノート(日本語)

混乱してしまう人がいるといけないので、一応。

  • 既にMUSEで作られたサイトに影響が出るわけではない
  • AdobeMUSEがこれからダウンロードできなくなるわけではない

特に2番目についてですが、Adobe Creative Cloudでは、CCでリリースされたソフトについては、開発が終了しても、旧バージョンを含め現在なおダウンロードできています。
(だからと言って、必ず今後もダウンロードできる保証はないですが)

AdobeMUSE開発終了の背景

開発終了の背景が英語なので、記事の「背景」部分を解説したいと思います。

Adobe is committed to delivering exceptional software and services to our customers. It’s in our nature to innovate and try new things, and it was in this spirit that we started developing Muse eight years ago. While we’ve been deeply committed to the Muse vision, we’ve come to recognize trends in website creation that have led us to evolve our strategy

アドビは、お客様に優れたソフトウェアとサービスを提供することを約束します。革新と新しいものを試すことは私たちの本質です。この精神の中で、私たちは8年前にMuseを開発し始めました。われわれはミューズのビジョンに真剣に取り組んできましたが、私たちは戦略を進化させるために、ウェブサイト作成の動向を認識するようになりました。

AdobeMUSEがリリースされてからもう8年になるんですね・・・。

レスポンシブサイトが作れるようになり、パララックスデザインにも対応し・・・

数多くのバグでユーザーを悩ませ続けましたが(笑)

そして開発終了アナウンス時点でもバグは大量に残っているという(涙)

ただ、Adobeの「革新と新しいものを試す」精神は大好きです。

やって見ないことには始まらないので。

さて、いよいよここからが開発をやめた理由です。

  • Designers that are actively engaged in creating complex websites and applications are investing in UX design and prototyping skills while partnering with development teams to bring their designs to life.
  • For simpler websites, we’ve seen the emergence of Do-It-Yourself (DIY) website creators that leverage customizable templates to quickly create responsive websites that can be easily modified by the designer or a client.
  • 複雑なWebサイトやアプリケーションの作成に積極的に取り組んでいるデザイナーは、UX設計とプロトタイプ作成スキルに投資し、開発チームと協力してデザインを生かせるようにしています。
  • 簡単なWebサイトでは、カスタマイズ可能なテンプレートを活用してデザイナーやクライアントが簡単に修正できるレスポンシブウェブサイトを迅速に作成する、Do-It-Yourself(DIY)ウェブサイトクリエイターの登場を見てきました。

要するに、WEBサイト制作のトレンドは二極化しているということです。

  • UI/UX設計に拘ったWEBアプリケーション路線
  • 手軽にデザイナーやクライアントが自分で簡単にサイト制作できるオンラインサービス
    (ClickfunnelsやWixやペライチなど)

その意味ではWEBデザイナーは選択を迫られていると思います。

実際、私もサイト制作において重視しているのは、ストーリーテリングなど、ライティングに関わる部分や、ユーザーの囲い込み戦略などなので、広告戦略上でペライチなどのツールも多用します(Wixは囲い込みが強すぎるのでオススメしません)

UXデザインについて、Adobeが提供している、XD(エクスペリエンスデザイン)は非常に優秀なツールです。

クライアントとのイメージのズレをなくす「ディレクション」と「プロトタイピング」

上記の記事でも様々なプロトタイピングでの使用実例を案内しましたが、非常に動作も軽く、プロトタイプを容易に作れて、UXテストも頻繁に行える優秀なツールです。

Adobeの開発リソースの選択と集中には、XDに注力するという意識も伺えそうです。

WEBデザイナーの方は、この機会にHTML5とCSS3を習得することをオススメします。

当メディアでも「1週間で習得するHTML&CSS」という特集を組んで、記事を執筆していっていますが、覚えるべきものを絞り考え方を学ぶことで、短期間での習得が容易です。

ClickFunnelsやペライチなどのHTML作成ツールを使っても、微調整はCSSでやるしかないので、CSSの習得は是非オススメします。

特集

AdobeMUSEはなぜ開発打ち切りになったのか?(考察)

AdobeMUSEは、デザイナーが自由にサイトをデザインできるようにという「デザインの自由度」を追い求めたソフトだと思います。

その背景には、Adobe InDesign(DTP用ツール)の開発チームが手動で開発をしていた(Adobeの友人談)ということが大きいのではないかと思います。

実際、ホームページは1つの大きな画板のようなものです。

そこに自由にスケッチするツールとしては、AdobeMUSEは優秀なものであったと思います。

ただ、残念なことにAdobeMUSEが生まれた8年前と現在では大きく異なってしまったことがあります。

それは、ユーザーの7割はスマホでサイトを見て情報収集を行うという事実です。

スマホというあまりにも狭いキャンバスは、デザイナーが自由度を発揮するにはあまりにも不十分です。

そして、ユーザーの1番の目的は「情報を収集する」ことであって、「綺麗なデザイン」を見ることではないのです。

実際吐き出されているソースコードを見るとわかります。

あらゆるブラウザデザインが崩れないようにと取り組んだ結果、コードが複雑化しすぎて、思わぬ不具合の連発。

世の中のサイト制作の主流であるflex-boxではなく、徹底的にfloat+clearfixで要素を配置する。

ここには、Adobeという大きすぎるブランドが「断捨離」しきれなかった「仕様」との葛藤が見えるようです。

ビジネスはトレードオフ。

何かを取れば、何かを捨てなければならないのです。

そして、あまり知られていませんが、Adobeはマーケティングソリューションも持っています。

そのAdobeが世の中のWEBサイト・アプリケーション制作の現場を分析してきた結果が、今回のトレードオフに繋がったということです。

この事実を、我々、WEBサイト・アプリケーション制作に関わる人間は、重く受け止めなければならないのではないでしょうか。

それではまた。

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Fumio Sakurai

Fumio Sakurai

株式会社NEXT Innovation 代表取締役
小3からプログラミング(Basic)を学び、法学部 → 財務系コンサル → 外資系生保営業 → ITスタートアップ起業という異色の経歴を持つ。
職種は「ビジネスデザイナー」
事業の戦略・戦術立案から実際の運営支援、マーケティング、ブランディング、社員育成、業務改善、システム制作を行う。

おそらくアスペルガー症候群であり、常にやりたいこと・アイデアが止まらなくなってしまうため、一社専属での会社員を勤められず、起業に至った。
現在5社の顧問を行いながら、コンサルティング・ブランディング指導を行なっている。

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